2012年8月25日土曜日

さなぎのこと

もう夏休みの終わりが近づいているけれど,
みんなのカブトムシはちゃんと羽化できたかな?

カブトムシは幼虫から成虫になる間に,
動いたり食べたりせずじっとしている期間がある。
この期間を蛹(サナギ)という。

蛹はカブトムシだけではなく,
チョウ・ガやハチ, ハエ, ノミなどでも見られる。
ただ, 全ての昆虫が蛹になるわけではなく,
トンボやバッタ, セミ・カメムシなどは蛹にならない。
蛹になる昆虫は幼虫のときイモムシ型であることが多い。

左からアゲハチョウの幼虫, 蛹, 成虫(wikipedia より)

成虫の体を作るため,
動いたり, 食べたりせずじーっとしているのが,
身近な昆虫の蛹なのに,
世の中には
歩いたり, 泳いだり, 噛んだりする蛹がいるらしい。
こういうアクティブすぎる蛹は,
ヘビトンボやトビケラ, シリアゲムシといった,
ややマイナーな昆虫たちで見られる。

ヘビトンボTrichoptera caddisfly 1.jpgPanorpa communis
左からヘビトンボ, トビケラ, シリアゲムシ(wikipedia より

チョウ以外の蛹になる昆虫は,
無防備な蛹を守るために
土で丸い部屋を作ったり, 繭を作ったりする。
普通, カブトムシやガなどの蛹が動かない昆虫たちは,
部屋の中で羽化してから, 成虫が部屋や繭から出てくる。
それに対して, アクティブな蛹になる昆虫たちは
蛹が部屋や繭を破って出てきて, 蛹のまま枝などによじ上り羽化する。
面白いことに蛹がアクティブか否かで順番が変わるのだ。

それに加えて,
アクティブな蛹になる昆虫たちは
蛹になる昆虫たちの中で原始的な特徴を多く残しているものでもある。

蛹になる昆虫たちは蛹にならない昆虫たちから進化してきたことがわかっている。
蛹にならない昆虫たちから,
どのようにして蛹が進化してきたのかという謎を解く鍵が
アクティブな蛹たちには隠されているのかもしれない。

2012年8月23日木曜日

ハエDiptera

「ハエ」と聞くと、家の中に入ってきたり、汚物から発生しているようなハエを連想する方が多いでしょう。しかし!そのハエはハエの中の極一部に過ぎません!他のほとんどのハエの幼虫は土壌、水底、朽木の中で平和に暮らしており、人に寄ってくることもありません。

そんなわけで人によってこないような面白いハエを紹介したいと思います。







今回は前脚が鎌状のハエです。左はオドリバエ科Chelipoda属の一種で、右はミギワバエ科ミナミカマバエOchthera circularisです。カマキリと同じでこの鎌で獲物を捕らえることができます。
ただカマキリと違うところがありまして、獲物を捕らえてもそれを大顎で噛み砕くことができないのです。ほとんどのハエでは大顎が退化していて、それを持っているハエは蚊やアブなどの吸血性のハエ(針状の大顎でこれも噛み砕く機能がない)のみです。ではどうやって餌を食べるのかというと、ハエ独自の「唇弁」という部分で餌を舐めとるようにして食べるのです。
 
他にも楽しいハエがたくさんいるのでこれからも紹介できればと思いますー